FIBAランキング2位 スペインバスケットボールの実情|ライムズ株式会社 SHOEHURRY!
目次
日本人バスケ選手の欧州進出をさらに加速させるために…
FIBA世界ランキング2位のバスケ大国スペイン。
その中でも、最も伝統のあるクラブチームの一つである、Movistar Estudiantes Madrid(以下、エストゥディアンテス)。
カンテラ*1を率いるトップであるアルヴァレス氏にスペインリーグの概要、育成システムなど様々なトピックスについてお話を伺いました。日本人選手がまだまだ少ない欧州において、トップレベルのバスケ大国であるスペインバスケの実態をお届けします。
※1|カンテラとはスペインにおける育成組織のこと

バスケ大国スペインにおけるリーグ事情

──この度はお時間を割いていただきありがとうございます。エストゥディアンテスというクラブチームについて教えて下さい。
Alvarez
エストゥディアンテスは『学生たち』という意味で、公立学校によって1948年に創設されました。歴史的には72年続く伝統のあるクラブチームです。試合会場は練習施設とは別にあって、レアル・マドリード同じWiZink Centerを使っており、毎試合1万人近いファンが観戦に訪れます。近年ではなかなか勝てない時期が続いていましたが、育成組織体制はスペインの中でもトップクラスにあると思っています。
──スペインバスケは大まかに言うとどのようなリーグ構造になっているのでしょうか?
Alvarez
Liga Endesa ACB*2という18クラブが所属する1部リーグに我々のトップチームは所属しています。その下に、LEB OROという2部リーグ、LEB PLATAという3部リーグ、Liga EBAという4部リーグがあります。その他にも地域リーグのようなものもあり、我々のようなクラブですと、1部リーグ以外にもカンテラを下部リーグに参戦させたり、クラブ間で提携していたりと、様々な関わり方が存在しているのが実情です。
──かなりの数のクラブチームが存在しているわけですね。
Alvarez
はい、育成も含めるとかなりの数のクラブがあり、バスケットボールの競技人口も非常に増えています。
※2 Liga Endesa ACBは、スペイン最大手の電力会社Endesaによるリーグネーミングライツとなっている。Liga ACBとも言う。

3歳から始まるユース世代のピラミッド

──スペインにおける一般的な育成スキームはどういったモデルになりますか?
Alvarez
様々なクラブがあるので、すべてがそうだというわけではないですが。エストゥディアンテスでは、3歳からバスケットボールを教える仕組みがあります。アンダー世代においては、U3~18まで1歳ごとに分けて育成しています。その上に、18~21歳くらいの若い選手で構成されたトップチームのBチーム、Cチームという位置づけのチームがあり、本当にトッププロでやっていける選手なのかを判断する期間を設けています。BチームやCチームはEBA(4部リーグ)などに参戦して、実際に試合にも出場して経験を積んでいます。
──ものすごく細分化されていますね。各カテゴリーで、だいたいどれくらいの人数が所属されているのでしょうか?
Alvarez
我々エストゥディアンテスでは、各カテゴリーでそれぞれ「エリートクラス」と、それ以外のクラスというように2つに分けています。「エリートクラス」はだいたい12~13人程度が所属しており、それ以外のクラスに関しては年代によって異なりますが、50~70人程度ずつ所属しています。「エリートクラス」の選手たちは、人によっては費用のサポートなども含めて支援を受けている選手もいます。
──なるほど。一つのクラブとして抱えるにはかなりの人数規模になりますね。
Alvarez
そうですね、エストゥディアンテスはもともとが学校でもあるので、多くの人数を受け入れるだけの体制と組織を有していることが強みになると思います。
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